●第2指揮組織とは?
Q:
「指揮官の任命は、平時には法令で定められた手続きに則って任免権者が行いますが、出動準備に入ると作戦計画の中で各部隊が有事編成(第2指揮組織)に組み替えられ、改めて各指揮官が指名されます。
また、戦闘中はいつ誰が戦死しても混乱なく直ちに指揮権が継承できるよう、次のようなルールが出来ています。」
(『指揮権とその継承』より)
にある「第2指揮組織」ですが、もうひとつピンと来ません。
平時編成時の指揮体制が第1指揮組織で、有事編成になると机の奥深くに隠されていた(笑)、全然違う第2指揮組織に移行するということでしょうか?
ご教授お願いいたします。
A:
第2指揮組織(海上自衛隊では「海2部隊区分」)や任務編成に関する話は自衛隊でも1尉(大尉)レベルの教育で初めて正式に教わるので、一般の隊員でもあまり詳しい話を知らないかもしれません。
しかし、これは別に秘密事項ではありません。
自衛隊法22条(特別の部隊の編成)の
「内閣総理大臣は・・・自衛隊の出動を命じた場合には、特別の部隊を編成し、又は所要の部隊をその隸属する指揮官以外の指揮官の一部指揮下に置くことができる」という規定に基づいています。
帝国陸軍では平時の最大部隊が師団でした。
「(番号)軍」「方面軍」「総軍」等の組織は戦時に戦闘序列(Order of Battle)として編成されたものです。
帝国海軍の連合艦隊もそうで、元来は戦時編成で作られるものでした。
先日の潜水艦救難出動でも「カムチャッカ国際緊急援助活動海上派遣部隊」が編成されましたね。
潜水艦隊所属の潜水艦救難母艦「ちよだ」、掃海隊群所属の掃海母艦「うらが」大湊地方隊の掃海艇「ゆげしま」「うわじま」の計4隻で編成され、派遣部隊指揮官は第2潜水隊群司令の木下憲司1佐、「うらが」を旗艦にしていました。
これは特殊な例ではなく、イラクやインド洋、ゴラン高原等、全ての出動時にはその度毎に事態に適した部隊を組み合わせて編成します。
自衛隊の各部隊は「いざ鎌倉」に備えて、普段から様々なケースを想定した計画を立てて準備しています。
有事が近いとか、災害が発生したような場合、かねて用意の計画を金庫の奧?から引っ張り出して、その時の状況に合わせて至急に作り直して「行動計画」として発令するわけです。
身近なものに例えれば、学校の運動会のために「放送斑」とか「入場係」等の行事運営組織を作るのと同じです。去年行った計画をパソコンから引っ張り出して、それに手を加えて今年の計画に作り直しますよね。
平時の部隊編成は一種の官庁組織で、いわば○年△組に当たるわけですが、これで実際の作戦や演習をするわけではありません。
(訓練は平時の編成のままでも行われます。学級毎に練習するのと同じです。)
平時編成の部隊はあらかじめ法令で定められ、その指揮官は中央から人事発令されています。
しかし任務編成の部隊は、編成を命ぜられた上級の指揮官が、与えられた兵力の中でその都度やりくりして編成し、その指揮官も任意に指名することができます。
もちろん平時の組織が消えて無くなるわけではなく、二つの顔を持つわけです。
これが「第2指揮組織」で、作戦計画(行動計画)のなかに示されています。
事態に応じた特別の「任務グループ」を組むことは、「タスクフォース」という言葉とともに民間でも使われることが多くなりました。
任務部隊の指揮官には、派出された平時編成部隊の指揮官が指名されることが普通ですが、他の新たな者が指定される場合もあります。
米軍の例でいえば、大平洋艦隊に所属する平時編成の第5空母航空団や空母「キティーホーク」が、任務編成の第7艦隊(Task Fleet 7、TFLT7)に組み込まれています。
第7艦隊司令官はそれらを「空母戦闘任務部隊 Task Force 70」として編成し、その指揮官(CTF70)に第5空母航空団司令官を指定しています。
以下、任務群 TG70.1,任務隊 TU70.1.3,任務分隊 TE70.1.3.2という具合に部隊組織のピラミッド構造(番号は仮の例)が作られます。
現代の軍隊は平時、有事の境目があいまいになっているので、平時編成と任務編成が混在することが多くなる傾向にあります。
特に統合軍組織は陸海空3軍から派出された様々な機能の部隊で構成されるので、任務部隊の形になります。“Joint Task Force” と呼ばれています。
自衛隊で近く編成されるであろう弾道ミサイル防衛部隊もこれに該当するでしょう。
以上、ヨーソロの管見でした。
(ヨーソロさま :元海自幹部)
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コメント
はじめまして!
オレ、ミサイル防衛について勉強しています。
もしよろしければ、オレのブログに遊びに来てください。
Posted by: コウタ | 2006年02月20日 05:45